2022.12.29
加賀 山中温泉で、宿の原点回帰を目指す
加賀温泉郷の中でも山間部に位置する山中温泉は、日本有数の湯治場として千年以上栄えてきた歴史があります。古くは八件の講中宿から始まったとされる山中温泉の宿泊所は、社会の発展と共に食事を提供する旅籠屋、そして現代の温泉旅館へと進化していきました。と同時に、旅人が米を持参し、薪代を払って自分で米を炊く木賃宿は次第にその姿を消していきました。湯治場本来の姿である木賃宿の宿泊スタイルが21世紀にゲストハウス(簡易宿泊所)として蘇ったことで、温泉地の宿泊形態が少しずつ原点回帰をはじめています。

宿泊所の使命は肉体だけでなく、理性の休息所として安心・安全な時空を提供することです。そのためには、ステークホルダーのお力をお借りしながら、旅人が安心して宿泊できる環境を整える必要があります。これが、宿泊所に求められている資質であり、使命感を持って取り組む決意です。

General Manager 上野 優介
